
公務員って魅力的だけど、転職して後悔しないかな?
民間から公務員に転職すると後悔する?
公務員のメリットやデメリットを教えて!
公務員と民間の違いを知りたい。
こんにちは、元公務員のみに丸です。
この記事を読まれている方は、現在民間で働かれていて公務員へ転職しようか迷っている方が多いのではないでしょうか。
身分が安定していることなどから公務員は、転職市場でも人気の業種です。
しかし、公務員は民間企業とは違う点が多く、いざ転職すると「公務員に転職しなきゃよかった」と後悔する人がいるのも事実です。
この記事では、元公務員の私が実際に公務員になって後悔したことや、民間から公務員に転職した同僚が後悔していたことをまとめ、公務員の実態や本音を解説していきます!
・公務員に転職して得られるメリット
・公務員への転職で後悔しない方法
ぜひ、この記事を参考にして、後悔のない転職活動をしていただければと思います。
民間から公務員に転職して後悔すること
公務員は、一般的な世間のイメージと異なる部分も多く、転職にはリスクも伴います。
ここでは、民間から公務員に転職して後悔することを5つご紹介します。
・残業が多い
・仕事のやりがいを感じにくい
・専門スキルが身につかない
・成果に見合った評価をされない
給料が下がる
「公務員は給料が高い」というイメージがありませんか。
しかし、公務員の給料は勤務年数に応じて徐々に上がっていくものなので、転職してから数年は給料が低く、転職前と比べて下がる人も少なくありません。
以下に、公務員の平均年収を年齢別に書いてみました。
40代:約700万円 50代:約750万円
このように、20代は中小企業よりも給料が低いことがあります。
実際に、都道府県庁に勤めて入社3年ほどの私の年収は、周りの友人より低かったです。
「結構、お金もらってるんでしょ〜?」なんて、当時も言われましたけど、そんなことはありません。
民間の平均年収より少し高い額をキープしていますが、それ以上には抜けてもらえないんです。
さらに、家賃補助や社宅、ボーナスなどを含めると控えめに言っても公務員の待遇は渋いです。
転職する層が多い20代後半から30代前半あたりだと、公務員の年収は450万円〜550円くらいでしょう。
大手民間企業だと、年収600万円以上の会社はザラにありますからね。
また、公務員を目指される方は優秀な方が多いです。
現職でも、全国の平均収入より多く稼がれているのではないでしょうか。
そうなると、多くの方が転職時に年収が下がるかもしれません。
また、民間企業で働いている場合、副業などで収入を補うこともできますが、公務員の場合はそうはいきません。
公務員に転職することで給料が下がるリスクがあることを知らないと、転職後に後悔することになるでしょう。
年収や退職金など公務員の将来性について気になる方は以下の記事も参考ください!
残業が多い
「公務員は定時で帰れるし、土日も休みだから楽」というイメージを持っている人もいることでしょう。
しかし、そういうメリットに期待して公務員に転職すると、転職後に後悔することになります。
現在は、年々人件費削減のために公務員の人数が減ってきています。
そのため、各部署では配属された必要最低限の人数で仕事をしているため、一人当たりの仕事量が増えることが多いです。
民間企業も大変な職場は多いと思いますが、公務員も忙しい部署ももちろんあります。
また、公務員の仕事の忙しさは、どの部署に配属されるかによって大きく異なります。
中には暇な部署もありますが、1年を通じて22時以降の残業が必要となる部署も存在します。
私が霞ヶ関で出向していた時は、朝3時4時まで残業することもありました。
公務員に転職すれば2、3年に1度のペースで異動があるので、多忙な部署に配属される可能性も高いです。
楽だと思って転職すると、後悔することになりかねませんよ。
公務員はサービス残業も多い
ちなみに、公務員はサービス残業になりやすい環境にあります。
多忙な部署だと予算が尽きると、残業代が出せなくなるため、以後残業がつけられなくなり、必然的にサービス残業になります。
省庁(霞ヶ関)のある部署では、残業の多い部署は毎月がみなし残業になっていて残業代は全額でていませんでした。
大きな要因としては、労基の監視が行き届いておらず、監視システムがないからです。
一方で、大手民間であれば、勤怠管理システムが厳しくサービス残業できない会社も増えてきています。
私が、今勤めている会社も土日にパソコンを持って帰って仕事すると、バレる仕組みになっていて、サービス残業が一切できないようになっています。
「公務員は残業のないラクな職場が多いから〜」という考えは捨てましょう。
仕事のやりがいを感じにくい
公務員の仕事は、基本的にルーティンワークがほとんどです。
まれにプロジェクトに関わることもできますが、仕事の基本は日や週、月ごとにやるべきことを繰り返すだけです。
さらに、公務員の仕事は民間企業と比べて裁量がありません。
規模が大きいので、何をするのも上司の決裁が必要です。
仕事のほとんどが法律により定められているので、ルールに沿って仕事を淡々とこなすことが多いです。
そのため、毎日が同じことの繰り返しでモチベーションが上がらないと感じる人も多くいます。
同じ仕事を黙々とこなせる人であればいいかもしれませんが、公務員の仕事に意味を見出せない人もいます。
私も働いていて、ルーティン化した業務や淡々と事務処理に追われる中で「なんのために働いているんだろう」と嘆いたこともありました。
公務員は仕事の性質上、数字を追いかける民間と違って「間違いやリスクがないこと」が重要視されるので、どうしても楽しさに欠けます。
発想力を生かした仕事をしたいと考えている人や、やりがいを感じながら働きたい人は、公務員に転職すると後悔してしまう可能性が高いと言えます。
専門スキルが身につかない
公務員の仕事は専門スキルがなかなか身に付きません。
そして得られるスキルも、役所内でしか使えないものがほとんどです。
まず、公務員は基本的に2、3年で部署異動があります。
畑違いの部署に飛ばされることも多いので、部署異動後は転職してきたのかと思うほどです。
そうなると、1からその分野を勉強することになります。
業務自体は、過年度の事績が残っているので、それに沿って進めていけば問題ないですが、得られるものが役所内でしか活かせない知識やスキルであって、役所外では応用が効きにくいです。
皆さまの方がご存じと思いますが、民間企業の場合はどちらかといえば他社にも応用できるスキルを得やすいです。
たとえば、営業職や企画職、マーケティングなどの職種は、同じ職種にも異なる職種にも役に立つでしょう。
民間と違って公務員は営利目的ではないため、そもそもの働き方も全く異なります。
その上、仕事のスピード感も公務員と民間では全く違っています。
そう考えると、民間から公務員への転職はしやすいとしても、公務員から民間への転職はむずかしくなります。
一度、公務員に転職するのであれば、長期的に働く覚悟を持って転職に臨まないと後悔することになるでしょう。
成果に見合った評価をされない
公務員はたとえ成果を出しても、大幅にボーナスが増えたり昇格が早まることはなかなかありません。
これは人事評価制度や年功序列が原因です。
私の勤めていた自治体の評価制度は、5段階で評価されましたが、ほとんどの人が2や3の評価(中〜中の上)でした。
民間のように、業績評価がボーナスに反映されることはありません。
中小企業であれば、成果や能力を評価されて30代前半で管理職になる人もいます。
今、業績によって給料を多くもらえているのであれば、公務員で働くことは物足りなく感じることもあるかもしれません。
給料も仕事のモチベーションになりますからね。
公務員へ転職することで得られるメリット

公務員って思ってたイメージと全然違う!
ここまで読まれた方は、「やっぱり公務員を受けるのやめようかな」なんて思われたかもしれません。
皆さまには転職で後悔してほしくないので、厳しいですが正直に書きました。
しかし、実際に民間から公務員へ転職すると受けられる恩恵がいくつかあります。
ここでは、公務員になることでどんなメリットがあるのか解説していきます。
後でも解説しますが、後悔しないためには公務員になるメリットとデメリットをよく見極めることが大切になります!
・数字に追われる日々から逃れられる
・倒産やリストラがなく定年まで安泰
それでは、順番に見ていきましょう。
基本的に休日はしっかり休める
公務員の休日は暦通りです。
そして、有給休暇も年に15〜20日ほどもらうことができます。
公務員には接待がありませんので、休日ゴルフなどとは無縁の生活が送れます。
また、育児休暇やフレックスタイム制を導入している自治体も増えてきており、子育てをしやすい環境です。
女性であれば、産休や育休の制度も整っていて、復帰してからも家庭と両立しながら働けます。
なんだかんだ言っても、公務員は民間に比べてゆとりのある生活ができることは確かです。
数字に追われる日々から逃れられる
公務員は民間と違って、数字のプレッシャーがないことが特徴としてあげられます。
とくにノルマを課せられている営業職や銀行マンにとっては、非営利である公務員の仕事は精神的にラクに感じるでしょう。
公務員は営業みたいに「契約をとってくるまで帰ってくるな」といったことはないのです。
成果を出しても給料が上がらないというデメリットがある反面、成果を出さなくても給料を保証されています。
ミスをしたとしても、減給や降格というようなことはほぼありません。
数字に追われる日々から抜け出したいのであれば、公務員は一つの選択肢になるでしょう。
倒産やリストラがなく定年まで安泰
公務員は基本的に倒産やリストラのようなことはありません。
横領や飲酒運転などをしない限り、定年まで安定した日々を送ることができます。
さらに、公務員は長く働き続ければ、その分退職金がもらえます。
・贅沢な暮らしは望まない人
にとっては、公務員の待遇には満足できるでしょう。
後悔せずに民間から公務員へ転職するポイント
ここまで、公務員への転職で後悔するデメリットと公務員で得られるメリットを紹介してきました。
では、それらを踏まえて、どのようにすれば公務員への転職を成功させることができるのでしょうか。
公務員への転職を成功させる4つのポイントを紹介します。
・なぜ公務員になりたいのかを考える
・情報収集を欠かさない
・現職を続けながら転職活動を進める
転職するメリットとデメリットを比べる
公務員に転職して得られることと失うものをよく比較しましょう。
どんな仕事でもそうですが、いい面があれば、悪い面があるのは当然です。
他人にとってはデメリットでも、あなたからするとメリットということもあります。
自分の価値観とよく照らし合わせて、本当に公務員が自分に向いているのかを考えてみましょう。
働き方や給料、人事評価制度など、あなたが重視するものが公務員にあるのかどうかを見極める必要があります。
あなたにとって転職で叶えたいことの優先順位をつけて書き出しておくなど、自己分析を怠らないことが大切ですよ。
なぜ公務員になりたいのかを考える
転職を考える際には自己分析が欠かせませんが、公務員に転職したい場合には、特に「どうして公務員になりたいのか」を考えることをおすすめします。
「公務員は安定しているから」「福利厚生が充実しているから」といった理由なら、民間企業でも達成できます。
なんなら、大手企業を志望すれば、むずかしい公務員試験を必要とないし、安定感はあるし、公務員より給料もいいですよ。
「公務員でなければならない理由」を持たずに、軽い気持ちで公務員に転職すると、後悔する危険性が高まってしまいます。
公務員に転職したいと思ったら、まずは「なぜ公務員になりたいのか」を考え、それが民間企業では達成できないのかどうかを検討することをおすすめします。
また、同じ公務員でも国や都道府県、市区町村でも仕事の規模が異なります。
あなたがどの立場として、働きたいのかまでしっかり考えることで後悔を未然に防ぐことができるでしょう。
情報収集を欠かさない
民間企業に転職するときと同様、公務員への転職も情報収集がカギとなります。
転職後にイメージとのギャップを感じて後悔しないためにも、希望する自治体の情報を集める必要があります。
とはいえ、インターネットなどで検索しても、自治体は民間企業ほど情報がありません。
情報収集の手段としておすすめしたいのが、
実際にその自治体の職員に話を聞くことです。
地方自治体の場合、自分の出身地であれば、同級生や知人をツテに話を聞かせてもらいましょう。
また、新卒向けに説明会などを行なっている自治体もあるので、よくホームページをチェックしておくことが大切です。
現職を続けながら転職活動を進める
公務員の採用には採用試験があります。
予備校に通って勉強している人も多くいますが、それでも全員が受かるわけではありません。
仕事を辞めても、公務員になれない可能性があるということです。
そのため、内定をもらう前に退職することはおすすめしないです。
今の職場をどうしても辞めたいと考えているのであれば、公務員試験と並行して民間企業の求人も探しておきましょう。
もう一度言いますが、公務員試験はむずかしく倍率も高いです。
できるだけ視野を広くして、転職先を探す方が失敗を避けられますよ。
まとめ
今回は、民間から公務員に転職する時に後悔することについて解説してきました。
・残業が多い
・仕事のやりがいを感じにくい
・専門スキルが身につかない
・成果に見合った評価をされない
・数字に追われる日々から逃れられる
・倒産やリストラがなく定年まで安泰
・なぜ公務員になりたいのかを考える
・情報収集を欠かさない
・現職を続けながら転職活動を進める
公務員は安定した身分や福利厚生などが魅力ではありますが、軽い気持ちで転職しては後悔することをご理解いただけたのではないでしょうか。
公務員への転職で後悔しないためには、情報収集と自己分析が欠かせません。
自分の価値観に合わせて、公務員と民間のどちらが合っているのかを今一度考えて見てください!
最後に、この記事を読んで、それでも公務員と民間で迷っている方に元公務員からアドバイスです。
前述しましたが、公務員はつぶしが効かないため、一度公務員になると民間に再度戻ってくるのは困難です。
そのため、まだいろんな仕事に挑戦したいと考えている20代や30代前半であれば、もう少し民間で経験をつんでみることをおすすめします。
公務員は民間経験者を歓迎していますし、募集の制限内であれば、何歳でも受けることができますから。
ぜひ、後悔なく転職を成功させてくださいね!
公務員と民間にどちらに転職しようか迷われている方は、ぜひ以下の記事もご参考ください。
「公務員と民間の違い」

「公務員と民間どっちがいい?」

コメント